この頃二酸化炭素排出抑制にともない、バイオ燃料が注目されてきたのおかげでトウモロコシの値段が上がっているらしく、肉牛の配合飼料の価格にも影響が出ているという。
近くの農家もマジで困っているらしい。
そんな訳で今回は肉牛について少々アカデミックに考えてみる。
ウシとしての但馬牛は、兵庫県産の和牛で黒毛和種の一種。
肉質が良く、様々な銘柄牛の素牛として知られている。
「素牛」というのは色々なブランド牛肉のモトになっている牛である。
例えば但馬牛は、資質、肉質が良いため、神戸ビーフ、松阪牛、伊賀牛、近江牛、飛騨牛などの銘柄牛の素牛となっている。
また、前沢牛、佐賀牛などのように、但馬牛の血統を入れることで牛の品種改良が行われていることも多い。
つまり、ブランド牛の先祖のようなものであり、基本的に子牛がどこかに売られていって肥らされる(肥育)。
肥育された場所のブランド名が付く訳だ。
この近辺では「加古川牛」なんてのもある。
もちろん但馬牛を但馬地方で肥育成熟させ、但馬ブランドで売っているものもある。
まあ、どういった方法で肥らせるか、また衛生管理など売られていった地方で独自の方法があり、それぞれの特長をうたっている。
これも基本的には濃厚飼料と粗飼料の配分やどういった濃厚飼料を与えるかによって特長が生まれる。
飼料も様々で、粗飼料(そしりょう)にしても生草、サイレージ、乾草、わら類等、反芻家畜にとって反芻胃の機能を維持するために不可欠だが栄養価の低いものや、トウモロコシやソルガム(モロコシ)のサイレージや出穂前の牧草の中には濃厚飼料に匹敵する栄養価をもつものも与える。
また、わら類のように繊維含量が高く、栄養価の低いもの(低質粗飼料)も与える。
近年はサイレージもサイロで醗酵させるばかりではなく、ラッピングして醗酵させる方法も出現し、畜産の様子も少しずつ変わってきている。
さて、その黒毛和牛だが、、、わが国には公正競争規約上の定義というものがあって、肉専用種で、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種とその4品種間の交雑種を和牛というそうだ。
牛の品種を表した言葉で、「国産の牛」という意味ではない。
そのため、「外国産和牛」も実際に生産されている。
しかし、全国和牛登録協会発行の登録書(又は登記書)が外国産牛には交付されておらず、それがないと和牛と証明されないため、「外国産和牛」と表示して販売することはできない。
結構、厳重な管理のようである。
和牛の内、9割以上を黒毛和牛が占めている。
…とまあ一般的な品種だ。
明治の頃は外国種と交配し、改良を重ねていたらしいが肉質悪化、使役能力の低下などの見られるようになったため、雑種交配は短期間で中止された。
1898年(明治31年)には戸籍にあたる牛籍簿で血統の管理が行われるようになり、1911年(明治44年)以降は外国種の血液の入った牛が排除された。
また、他地域の品種との交配も行わず、血統の純化、改良が進められ、蔓(つる)と呼ばれる系統がつくられている。
但馬牛にはあつた蔓、ふき蔓、よし蔓の3つの代表的な蔓牛(つるぎゅう)がある。
要するに良い牛に統合改良を重ね良品種の固定化に勤めてきてはいるが完全に日本の原種というわけではない。
「和牛」は明治時代に外国の品種と交配しており、今は低品質のものを排除すると共に、より肉質が良く病気等に強い品種へと維持管理及び改良がなされているのであって、昔からいる純粋種(従来種)を保存しているのとは違う。
いわば「統合種」。
従来種として現存しているのは、山口県見島産の見島牛で、なんと天然記念物に指定されている。
つまりは食べられないということか?
今度は産業の観点から眺めてみよう。
経営や生産の仕組みは以下の通りである。
和牛農家は主に繁殖農家と肥育農家に分けられる。
繁殖農家は子取り経営とも言われ、雌の親牛や後に親牛となる育成牛を飼育しており、子牛を売って経営している。
雌牛に種付けをして子を産ませ、数ヶ月育成した後、セリにかける。
肥育農家は肉用に子牛を太らせ、食肉センターに出荷して経営している。
家畜市場で開かれるセリで、肥育用の素牛を購入し、濃厚飼料を中心に給与することで体重を増やし、サシ(脂肪交雑)を入れ、およそ30ヶ月齢まで肥育した後出荷する。
これでいくと2年半で成熟、ということになる。
これ以外に近年増えてきているのが、繁殖肥育一貫経営で、繁殖用の雌牛から生まれた子牛を自家肥育し、出荷する。
肥育専業農家のように子牛の購入資金が必要でないため、出荷時の粗利が変わってくるしくみ。
こちらは繁殖農家が肥育を兼ねる場合が多いのかなぁ?
この辺りには乳牛もかなりの頭数が飼育されているが、「酪農」はまた違った事情が色々とあるのだろう。
今度時間のある時に調べてみよう。
とにかくそういったことをふまえた上で牛肉を食べても味は特に変わらない(笑)
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